2025年10月29日、出雲市議会 文教厚生委員会の行政視察の一環として大阪府富田林市を訪れました。この記事はその二つ目です。一つ目はこちら。
【2】こどもの権利条例の制定に向けた取り組み
こどもの権利に取り組む背景
- 令和5年、「こどもまんなか」を掲げるこども家庭庁が発足したことを受け、市長が富田林市において「こどもまんなか社会」を実現すると発表。
- 富田林市で令和4年に発生した2歳児死亡事案も影響している。
こどもの権利条例制定への取組
- 令和8年4月の制定を目指している。
- こどもを対象にアンケートをとる、ヒアリングするなど、こどもの意見を収集している。
- 求めることのアンケートでは、大人側の回答には「経済的なサポート」「いじめ対策」が多かった。対して、こども側の回答は「勉強へのプレッシャーをあまりかけないで」「より良い校則にする」「遊びの時間を増やす」が多かった。
- こども自身が条例策定に関わる仕組みになっている。
条例に違反したら?
- こどもの権利擁護・救済委員(仮)が対応する。
- 罰則はないが、調査や勧告はできる。
こどもの権利条例前文 一部抜粋
私たちこどもは、自分の意見や思いを受け止めてもらえたらうれしいな。そして、私たちはこんな思いがかなうまちにしたいです。
- いじめや暴力、差別、虐待、ひいき、くらしの差がないすごしやすい社会になってほしい。
- 命が守られ、自分らしく成長したい。
- 自分のペースで学びたい。
- 安心できる居場所がほしい。
- 意見や思いを受け止めて向き合ってほしい。
- 安心して安全に遊んだり、楽しんだり、喜んだり、学んだり、経験したい。
- 学校や地域で気持ちよくすごしたい。
大人のみなさん、私たちこどもをいつも見守ってくれてありがとう。私たちは、幸せにすごすために、大人のみなさんにこのようなことを約束してほしいです。
- わかりやすく、楽しめる学習や、教育を受けたり、気持ちよく生活したりする環境をつくってほしい。
- 意見をおしつけないで、こどもにとって、最もよいことを一緒に考えてほしい。
- いじめや差別、虐待などしないでほしい。
- 好きなことをしたり、一人でゆっくりしたりする時間も必要なことをわかってほしい。
- 大人は意見を聞いてそれをにっこりえがおで受け止めてほしい。
- どんなこどもも受け入れて、認めてほしい。
- すべての人にこどもの権利を分かってほしい。
- どんな道を選んでも、認めて、一人ひとりに合わせた応援をしてほしい。
- 大人が考えてやってくれたことを、わかるように教えてほしい。
視察を終えて
- アンケートでは、こどもの考えとおとなの考えの間にずれがあった。当事者に聞いてみるのが一番である。
- 日本国が批准した国際条約「児童の権利条約」を実効性あるものにするためにも、出雲市でも前向きに検討するべき。
- 富田林市では「こどもの権利条例いっしょに作ってみない会」に参加するこども集めに苦労したとのこと。くじびき民主主義を取り入れてもいいかもしれない。
参考リンク
おまけ


