次世代につけを回さないで

 国と地方の借金1200兆円、1人当たり1千万円などと報道されている。それを聞いて空恐ろしい気持ちになる。しかし同時にこうも思う。誰がそんなに貸してくれたんだろう? いつ借りたんだろう?

 お金を貸しているのは国内機関が約9割で海外は約1割。借りたのは政府で、国会の承認を得て毎年国債を発行している。国の借金というより政府の借金だ。

 財政健全化を訴える政治家は多いが、G7はどの国も財政赤字である。ましてや日本のように高齢者率が高い国であれば社会保障費は削れるはずがなく、赤字はやむを得ない。

 本当に次世代につけを回さないためには、少子化を食い止めることだ。現役世代比率が低い状態を繰り返してはならない。非正規雇用の正規化など、雇用を改善し、賃上げを実現させよう。それによって年金受給者の受取額も上がる。

 財源は国債あるいは余裕のある人に負担してもらうのがよいと思う。貧しい人にも負担を強いる消費税はなくすべきだ。

2023/1/28 山陰中央新報掲載

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