昨年の8月15日夜のこと。私が勤める老人ホームで、いつもぐっすり眠る利用者が、その日に限って不眠を訴えられた。
いつもの陽気な顔と違い、悲しげな表情を浮かべながら、先の大戦の際、徴兵されて南方に派遣されたこと、戦友が目の前で死んだことを話された。心に刻まれた戦争の爪痕は歳月を経ても消えない。
私は小学校の修学旅行以来、広島平和記念資料館(広島市)、毒ガス資料館(広島県竹原市)、ホロコースト記念館(同県福山市)、知覧特攻平和会館(鹿児島県南九州市)などを訪れた。戦争に関する本も読み、戦争が起こる理由も少しは分かってきた。いまだに世界のどこかで戦争が行われていることを残念に思う。
それでも日本が80年近く平和を保ってきたことは誇りに感じる。先人たちの努力に感謝を申し上げたい。
戦争をさせない手段として私が注目しているのが国際刑事裁判所だ。日本人の赤根智子氏が所長を務めている。法治主義を広めることが平和への道筋だと確信している。
こだま・心の傷触れ 法治主義貫いて | 山陰中央新報デジタル
出雲市 長島 和孝 50歳 昨年の8月15日夜のこと。私が勤める老人ホームで、いつもぐっすり眠る利用者が、その日に限って不眠を訴えられた。 いつもの陽気な顔と違い、悲しげな表情を浮かべ…